水草で硝酸塩の濃度を確認する方法
今回は水草を使用して水中の硝酸塩の濃度を確認する方法について解説します。この手法は水中の硝酸塩濃度を知るための有益な指標となります。
今回の情報はTHE 2HR AQUARISTのデニスの研究結果に基づいています。
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硝酸塩の濃度で色が変わる水草フィラントス・フルイタンス
フィラントス・フルイタンスは南北アメリカの熱帯地方に生息する浮き草です。短い茎には丸い葉が交互に生え、その下には短い赤い根の房があります。この水草は栄養豊富な水と高い光量の条件下で非常に迅速に増殖します。また、アンモニアと硝酸塩を吸収するのに役立つと同時に、根はバクテリアの住処となり、葉は臆病な魚にとって隠れ家として機能します。
水面に浮かぶため、強い光が容易にアクセスでき、また空気から二酸化炭素を吸収することもできます。
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硝酸塩の濃度について
水中の硝酸塩が過剰になると、コケが発生するリスクが高まります。逆に、硝酸塩が不足すると、水草の成長が阻害され、脆弱になります。
硝酸塩の濃度を測定するには、パックテストを使用することができます。また、経験豊富なアクアリストは水草の色や形からも硝酸塩の状態を判断することができます。
硝酸塩の濃度を水草から知るには経験が必要ですが、浮き草であるフィラントス・フルイタンスを使用すると、意外と簡単に検知できることがわかりました。
硝酸塩の濃度が低い状態が続くと、水草は深い赤色に変化します。この水槽ではAPT ZEROという窒素とリンを含まない肥料が使用されています。
硝酸塩濃度が高くなると、水草は緑色に変化します。この水槽では窒素を含むAPT COMPLETEという肥料が投与されています。
赤いフィラントス・フルイタンスは、200umolsのPARで成長しましたが、一方で緑のフィラントス・フルイタンスは400umols以上のPARで成長しました。強い光を当てると赤くなりますが、その影響よりも硝酸塩濃度の影響が大きくなります。
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どのように使って硝酸塩の濃度を知る?
新しく展開する葉の色がヒントとなります。もし葉が緑色でコケ類の問題、特に緑のコケに悩まされているのであれば、硝酸塩を下げることが一つの方法です。硝酸塩を含まないAPT ZEROを使用するか、APT COMPLETEの投与の比率を下げてください。一方で、フィラントス・フルイタンスが極端に赤くなっている場合、脆弱な状態である可能性があります。水草が健康そうに見えても、非常に脆くなっている可能性があります。
もし新しい葉が赤く色づいているならば硝酸塩の濃度は下がっています。(APT COMPLETEを投与)
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どのような色になっているのが好ましい?
2HR Wayの水槽では、水換え前に水中の硝酸塩の濃度が通常5ppm以下(ゼロに近いこともよくあります)になることが一般的です。この濃度では水草も元気であり、コケ類も抑制しやすいと言えます。
硝酸塩濃度が5ppm未満では、水草の葉が真っ赤に変色することがあります。ただし、これはあくまで参考値であり、硝酸塩の絶対量を測定するものではありません。
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まとめ
浮き草の量が増えると、水槽内の水草に光が届きにくくなります。そのため、量が増えたら間引くようにしましょう。