2HR Way|水草で硝酸塩の濃度を確認する方法 フィラントス・フルイタンスの色を読む
2HR Way|水草で硝酸塩の濃度を確認する方法 フィラントス・フルイタンスの色を読む
水草水槽では、硝酸塩の濃度を知るために試薬を使う方法があります。
しかし、日々の管理では、試薬の数値だけでなく、水草の状態を見ることもとても大切です。
特に浮き草の一種であるフィラントス・フルイタンスは、水中の硝酸塩の傾向を知るための「目安」として使いやすい水草です。
この記事では、フィラントス・フルイタンスの葉色から、水槽内の硝酸塩の傾向を読み取る方法を解説します。
この記事の内容は、2HR Wayの考え方に基づいています。
フィラントス・フルイタンスとは?
フィラントス・フルイタンスは、南北アメリカの熱帯地域に分布する浮き草です。
丸みのある葉を水面に広げ、状態が良いと美しい赤色に染まることがあります。葉の下には赤みを帯びた根を伸ばし、水槽内では非常に印象的な存在になります。
フィラントス・フルイタンスには、次のような特徴があります。
- 水面に浮かぶため、強い光を受けやすい
- 空気中のCO2を利用できる
- 成長が早く、栄養をよく吸収する
- 根がバクテリアの住処になりやすい
- 魚や稚魚の隠れ家にもなる
浮き草は水中のCO2制限を受けにくいため、水中葉の水草とは少し違った反応を見せます。そのため、フィラントス・フルイタンスは水槽内の栄養状態を観察するうえで、わかりやすい指標になります。
フィラントス・フルイタンスは硝酸塩の濃度で色が変わる
フィラントス・フルイタンスは、環境によって葉色が変化します。
特にわかりやすいのが、硝酸塩の濃度による色の違いです。
水中の硝酸塩が少ない環境では、フィラントス・フルイタンスは赤くなりやすくなります。
一方で、硝酸塩が豊富な環境では、緑色が強く出やすくなります。
もちろん、葉色は光量や株の状態にも影響されます。強い光を当てれば赤くなりやすい傾向があります。
しかし、フィラントス・フルイタンスの場合、光量だけでなく、硝酸塩の濃度による影響も大きいため、葉色を見ることで水槽内の栄養状態をある程度判断できます。
赤くなる場合:硝酸塩が低めの可能性
フィラントス・フルイタンスの新しい葉が赤く染まっている場合、水中の硝酸塩濃度が低めである可能性があります。
特に、APT ZEROのように窒素とリンを含まない液体栄養剤を使用している水槽では、フィラントス・フルイタンスが赤くなりやすい傾向があります。
APT ZEROは、ソイルなどの底床から窒素やリンを供給し、水中には微量元素やカリウムを中心に補給する管理方法に向いています。
そのため、水中の硝酸塩濃度は低く保たれやすくなります。
フィラントス・フルイタンスが赤くなること自体は、必ずしも悪いことではありません。
ただし、極端に赤くなり、葉が小さくなったり、成長が止まったり、株が弱々しくなっている場合は、硝酸塩が不足気味になっている可能性があります。
この場合は、水草全体の状態を見ながら、肥料の量や管理方法を見直すとよいでしょう。

硝酸塩の濃度が低い状態が続くと、水草は深い赤色に変化します。この水槽ではAPT ZEROという窒素とリンを含まない液体栄養剤が使用されています。
緑色になる場合:硝酸塩が豊富な可能性
フィラントス・フルイタンスの新しい葉が緑色に近い場合、水中の硝酸塩濃度が高めである可能性があります。
APT COMPLETEのように窒素を含む液体栄養剤を使用している水槽では、フィラントス・フルイタンスが緑色に寄りやすくなることがあります。
APT COMPLETEは、窒素・リン・カリウム・微量元素をバランスよく含むオールインワンタイプの液体栄養剤です。
水草の成長に必要な栄養を水中から安定して供給できるため、ソイルの栄養に頼りすぎず、水草を健康に育てやすい管理方法です。
ただし、フィラントス・フルイタンスが緑色だからといって、すぐに「悪い状態」と判断する必要はありません。
重要なのは、水槽全体の状態とあわせて見ることです。
たとえば、フィラントス・フルイタンスが緑色で、水草も健康に成長しており、コケも少ない場合は、大きな問題ではありません。
一方で、フィラントス・フルイタンスが緑色で、同時にガラス面のコケや緑藻が増えている場合は、水中の栄養が多めになっている可能性があります。
その場合は、APT COMPLETEの投与量を少し減らす、またはAPT ZEROを使った管理に切り替えることも選択肢になります。

硝酸塩濃度が高くなると、水草は緑色に変化します。この水槽では窒素を含むAPT COMPLETEという液体栄養剤が投与されています。
硝酸塩が多いとコケが出るのか?
ここで大切なのは、硝酸塩が多いだけで必ずコケが出るわけではないという点です。
2HR Wayでは、コケの発生を「栄養が多いから」と単純に考えるのではなく、水草の健康状態・CO2の安定性・有機物の蓄積・水槽全体の成熟度を含めて考えます。
健康な水草がしっかり成長している水槽では、水中に一定量の栄養があっても、コケは抑えやすくなります。
逆に、硝酸塩が少なくても、水草が弱っていたり、CO2が不安定だったり、古い葉が傷んでいたりすると、コケは発生しやすくなります。
つまり、硝酸塩の濃度は大切な要素のひとつですが、それだけで水槽の状態を判断するのではなく、水草の健康状態とあわせて見ることが重要です。
どの葉を見ればいい?
フィラントス・フルイタンスで硝酸塩の傾向を見るときは、古い葉ではなく、新しく展開している葉を見ます。
古い葉は、過去の環境の影響を受けています。
そのため、現在の水槽の状態を知るには、新芽や新しく広がってきた葉の色を見るほうが参考になります。
見るポイントは次の3つです。
1. 新しい葉が赤いか、緑色か
新しい葉が赤くなっている場合は、硝酸塩が低めの可能性があります。
新しい葉が緑色に寄っている場合は、硝酸塩が豊富な可能性があります。
2. 成長速度はどうか
赤くても、葉が大きく、増殖も順調であれば問題ないことが多いです。
しかし、赤いだけでなく、葉が小さくなったり、増殖が止まったりしている場合は、栄養不足の可能性があります。
3. 水槽全体のコケの状態
フィラントス・フルイタンスが緑色で、同時にガラス面や水草の葉にコケが増えている場合は、水中の栄養バランスを見直すサインになります。
ただし、コケの原因は硝酸塩だけではありません。
CO2の安定性、ろ過、流れ、酸素量、有機物の蓄積などもあわせて確認しましょう。

もし新しい葉が赤く色づいているならば硝酸塩の濃度は下がっています。(APT COMPLETEを投与)
新しい葉が緑色に変わっていれば、硝酸塩の濃度は上昇していることになります。2HR Wayではどのくらいの硝酸塩が目安?
2HR Wayで管理された水槽では、水換え前の硝酸塩濃度が低めになることがあります。
目安としては、5ppm以下、場合によってはゼロに近い数値になることもあります。
このような環境では、フィラントス・フルイタンスが赤くなりやすくなります。
ただし、これはあくまで目安です。
フィラントス・フルイタンスの色だけで硝酸塩の正確な数値を測定することはできません。
正確な数値を知りたい場合は、硝酸塩の試薬を使用してください。
フィラントス・フルイタンスの色は、あくまで日々の管理で使える「観察のヒント」として考えるのがよいでしょう。
浮き草は増えすぎに注意
フィラントス・フルイタンスは成長が早い水草です。
環境が合うと、短期間で水面を覆うほど増えることがあります。
浮き草が増えすぎると、下にある水草に光が届きにくくなります。
特に有茎草や前景草を育てている水槽では、浮き草が水面を覆いすぎると、光量不足の原因になります。
フィラントス・フルイタンスを使う場合は、定期的に間引いて、水面を覆いすぎないようにしましょう。
目安としては、水面の一部に浮かべる程度で十分です。
まとめ
フィラントス・フルイタンスは、水槽内の硝酸塩の傾向を知るための便利な水草です。
新しい葉が赤くなる場合は、硝酸塩が低めの可能性があります。
新しい葉が緑色に寄る場合は、硝酸塩が豊富な可能性があります。
ただし、葉色だけで硝酸塩の正確な数値を知ることはできません。
大切なのは、フィラントス・フルイタンスの色だけで判断するのではなく、水草全体の健康状態、コケの発生状況、CO2の安定性、ろ過、流れ、有機物の蓄積などをあわせて見ることです。
2HR Wayでは、単に栄養を減らしてコケを抑えるのではなく、水草を健康に育てることでコケに強い水槽を作ることを重視します。
フィラントス・フルイタンスは、そのための観察材料として非常に役立つ水草です。
日々の水槽管理の中で、ぜひ新しい葉の色をチェックしてみてください。