ウォーターローンの育て方
ウォーターローンの育て方について詳しく解説します。ウォーターローンに関する誤った情報が多いため、この記事ではウォーターローンがなぜ溶けるのかやトリミング方法なども紹介しています。
今回の情報はTHE 2HR AQUARISTのデニスの研究結果に基づいています。
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どんな水草
ウォーターローンは、東南アジアとインドの熱帯地域が原産地の食虫植物です。この水草は黄緑色の葉を広げ、絨毯のように広がる特徴があります。そのため、通常は前景草として使用されます。
光量が強いと葉は2cmほどになります。日陰になったり光量が弱いと葉が少し長くなります。
ウォーターローンは食虫植物ですが、ご安心ください。この植物は小さな微生物しか捕食せず、エビや魚の稚魚を捕まえることはありません。
ウォーターローンは水槽の環境に適応するのに時間がかかる水草ですが、一度適応すると急速に成長します。一般的に育成が難しいと言われることもありますが、その難しさは水槽がまだ安定していない状態で植栽を行うときに起こります。ですので、サイクリング(水槽内の生態系を安定させる過程)を行った後に植栽を行うことをおすすめします。
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ウォーターローンの育て方
ウォーターローンは成熟した安定した環境を好む水草です。しかし、組織培養カップからのものは、水槽を新たに立ち上げた際に溶ける可能性が高いです。特に、水槽が新しく立ち上がったばかりで、ろ過が未熟な状態や、ソイルから溶け出すアンモニアが高い状態ではウォーターローンが溶けることがあります。ウォーターローンが数日以内に溶けてしまう場合、これらの要因が原因である可能性が高いです。
ウォーターローンは非常に繊細な水草です。先に述べたように、サイクリングを終えた後に植え付けを行うと、成功率が高まります。
植え付けの際に、葉を繋ぐ繊細なランナーを切らないように細心の注意が必要です。水草が水面に浮き上がる場合は、小さな塊に分けて植え付けてください。また、頻繁な植え替えは繊細な水草に害を及ぼす可能性があるため、最初の植え付けが成功するように注意が必要です。
美しい絨毯状に育てるためには、CO2の添加が必要です。低光環境や過密状態では、ウォーターローンの葉が細長く伸びる傾向があります。
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ウォーターローンの間違った情報
ウォーターローンを育てる際に、いくつかの誤った情報が広まっています。まず、ウォーターローンは栄養素の少ない水で育てなければならないという誤解がありますが、実際には液体肥料を大量に投与してもよく育ちます。したがって、肥料の投与においては控えめにする必要はありません。
また、ウォーターローンを育てるためには軟水が必要だという誤解もありますが、低いKH(炭酸塩硬度)が必須ではありません。ある程度のKHがあってもウォーターローンは育成可能です。
さらに、ウォーターローンを育てるためにはソイルが必要だという誤解もありますが、実際にはソイルを使用しなくても、石や流木に貼り付けたり、流れの少ない水に浮かべたりして育てることができます。
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活着方法
ウォーターローンを石や流木に活着させる方法は3つあります。最も簡単な方法は、ウォーターローンを石や流木の割れ目に挟むことです。ウォーターローンの根を石や流木に差し込み、しっかりと固定します。
別の方法として、釣り糸または綿糸を使用する方法があります。ウォーターローンを石や流木に巻き付け、しっかりと固定します。この方法を使うと、ウォーターローンがしっかりと固定されるため、安定した植栽が可能です。
最後の方法は、瞬間接着剤を使用する方法です。ジェル状の瞬間接着剤を少量ウォーターローンに垂らし、それを石や流木の表面に押し付けて固定します。ただし、この方法を使うと一時的に白い接着剤の跡が残ることがありますが、ウォーターローンが成長して覆い隠すことができます。
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トリミング方法
ウォーターローンをトリミングする際には、葉をカットしないように特に注意が必要です。葉を半分にカットしてそのままにしておくと、コケの発生の原因となります。トリミングを行う際には、ハサミを縦に入れてランナー(茎を伸ばす部分)を切り断し、できるだけ傷ついた葉を残さないように心掛けましょう。
また、ウォーターローンが過密状態になると下草が腐敗しやすくなります。そのため、過密状態を防ぐためにも頻繁にトリミングを行うか、過密状態になる前に健康な部分だけを植え替えることをおすすめします。これによって、ウォーターローンを長期間健康に維持することができます。
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まとめ
ウォーターローンは手入れが必要な水草ですが、その美しい色合いは他の水草にはない魅力があります。ぜひ一度育ててみて、その美しさを楽しんでみてください!