ロタラ・ハラ(H'ra)の育て方
今回は、ロタラ・ハラ(H'ra)の育て方について詳しく説明します。ロタラは群生しやすく、育てるのが比較的簡単ですが、管理方法を誤るとコケの発生源となる可能性もあります。この記事では、トリミングの方法から、ロタラを赤くするための方法まで紹介しています。
この情報はデニスの研究結果に基づいています。
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どんな水草?
ロタラ・ハラは、赤く色づくことで知られるロタラ・ロトンディフォリアの一種です。ロトンディフォリアにはさまざまな種類が存在し、ロタラ・グリーン、ロタラ・インディカ、コロラタなどが含まれます。基本的に、これらの種を育てる方法は同じです。
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ロタラ・ロトンディフォリアの育て方
ロタラの種は広範な水質で育てることができますが、高いKH(炭酸塩硬度)を持つ水質で育てる場合には注意が必要です。高いKHと多量の窒素(硝酸塩)が存在する水中では、育成障害が起こりやすくなります。KHが3以上で、かつ魚の数が少ない場合、 APT COMPLETEを使用することをおすすめします。一方、魚の数が多い場合には、 APT ZEROと栄養豊富なソイルまたは APT JAZZと組み合わせて使用することがおすすめです。
CO2を添加しなくても育てることは可能ですが、有茎草の一部であるロタラなどは、CO2を追加しない場合、大気中のCO2にアクセスしようとして間延びすることがあります。
左側の画像はCO2を添加しない状態で育てたロタラ・ロトンディフォリアです。CO2が不足することにより、茎が間延びし育成に問題が生じている兆候が見られます。右側の画像はCO2を添加した状態での育成例です。
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ロドンディフォリアを密に繁茂させる
ロタラを美しく密に育てたい場合、CO2の添加をおすすめします。
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ロタラ・ロトンディフォリアのトリミング
CO2を添加して育てると、ロタラは茎から枝分かれし、密な姿に育ちます。ロタラはトリミングに耐性があり、3〜4回はトリミングできます。トリミングを続ける際には、下葉の状態に注意しましょう。下葉が傷んでいるようであれば、植え替えが必要です。下葉が影になると、時間が経過すると枯れてしまうことがあります。これを放置すると有機廃棄物が発生し、コケの発生リスクが高まります。
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ロタラ・ハラを赤くする
ロトンディフォリアには、ロタラ・ハラを含む赤くなる種類(ロタラ・インディカ、ロタラ・コロラタなど)が存在します。これらの種類を赤くするための基本的な方法は、以下の4つの条件に依存します。
- ライトの光量を強くする
- 水中の硝酸態窒素(硝酸塩)を制限する
- CO2を添加する
- 健康であること
ロタラ・ハラの育成は、水草水槽用のライトがあれば可能ですが、赤くするためには青と赤の波長が強いRGBライトがおすすめです。
RGBライトを使用してCO2を添加しているにも関わらず、ロタラ・ハラなどが赤くならない場合、水中に多くの硝酸塩が存在している可能性が考えられます。硝酸塩が多い状態では、これらの水草はあまり赤く色づきにくい傾向があります。
ロタラ・ロトンディフォリアは水中の硝酸塩に対して耐性があり、赤くなるロタラ・ハラなどの種類は、水中の硝酸塩を制限することでより赤くなります。ただし、硝酸塩の制限を過度に行うと、育成障害を引き起こす可能性があります。
下の写真の赤い方がAPT ZEROを使用したロタラ・ハラ、オレンジの方はAPT COMPLETEを使用しています。
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ロタラ・ハラを赤くするのに鉄分は必要?
結論、必要ありません。
鉄が水草の育成に必要とされるという認識は、2000年代以前にさかのぼります。当時、水草は生体の排泄物から窒素やリン酸、水道水からカリウムやマグネシウムなどの特定の栄養素を取り入れることができました。しかし、そのような状況では鉄が不足することがありました。この問題に直面したアクアリストたちは、鉄を含む液体肥料を追加することで水草の健康が向上し、赤い水草の色も良くなることに気づきました。ただし、鉄は多くの土壌に含まれており、ほとんどの液体肥料にもかなりの量の鉄が含まれています。そのため、現在では鉄分が不足することはほとんどありません。
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まとめ
水草の美しい色を引き出すためには、まず健康状態を良好に保つことが重要です。濃い赤色を目指して、水中の硝酸塩の制限を長期間にわたり過度に行うと、ロタラ・ハラだけでなく他の水草にも育成障害を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
下の写真はロタラ・ブラッドレッドと言う、かなり赤くなる品種です。この水草は硝酸塩の制限なしでも赤くなります。