水草水槽に最適なコケ対策とは? ― コケ取り生体とコケ取り剤の正しい使い分け ―

2025年12月16日

※原文
Best algae eaters
https://www.2hraquarist.com/en-mk/blogs/freshwater-fish-and-livestock/best-algae-eaters

本記事は、THE 2HR AQUARIST が解説している
**「水草水槽におけるコケ対策の考え方」**をベースに、
日本の水草水槽環境で実践しやすい形に整理したものです。


水草水槽でコケが気になり始めると、

「一番効くコケ取りはどれか?」

と考えがちです。

しかし THE 2HR AQUARIST では、
その発想自体が問題を長引かせる原因になりやすいと説明されています。

重要なのは、

  • 何を入れるか
    ではなく

  • なぜコケが出ているのかを理解すること

です。


コケ取りは「対症療法」である

まず大前提として、

コケ取り生体やコケ取り剤は、
コケ問題の根本解決策ではありません。

コケが発生する背景には、

  • 水草の成長不足

  • 有機物(汚れ)の蓄積

  • 光・CO₂・栄養配置の乱れ

といった原因があります。

コケ取りは、
水槽を立て直すための「時間を稼ぐ手段」
として使うものです。


コケ取り生体の役割と注意点

エビ類(ヤマトヌマエビ/ミナミヌマエビ)

エビ類は、水草水槽で最も一般的なコケ取り生体です。

ヤマトヌマエビは、
糸状コケや付着有機物に対して非常に高い効果を発揮します。

ただし、

  • 餌不足

  • 水草が弱っている

  • 柔らかい新芽が多い

といった条件では、
水草をついばむ(食害する)ことがあります。

一方、ミナミヌマエビは、
健康な水草を食害することがほとんどなく、
安全性が非常に高い生体です。

  • 繊細な水草が多い水槽

  • 小型水槽

  • レイアウト重視の水槽

では、ミナミヌマエビの方が適している場合も多くあります。

サイアミーズ・フライングフォックス

サイアミーズ・フライングフォックスは、
黒ヒゲコケや一部の糸状コケに効果があることで知られるコケ取り生体です。

特に、

  • 初期〜中期段階の黒ヒゲコケ

  • 柔らかい糸状コケ

に対しては、
他の生体では代替しにくい役割を果たすことがあります。

一方で、サイアミーズ・フライングフォックスには注意点もあります。

  • 成長するとコケをあまり食べなくなる個体が多い

  • 体が大きくなりやすい

  • 他の魚を追い回すことがある

そのため、

  • 小型水槽

  • レイアウト重視の水槽

  • 穏やかな魚が中心の水槽

では、扱いづらくなるケースがあります。

サイアミーズ・フライングフォックスは、

「常設のコケ取り生体」

というよりも、

「特定のコケが出たときに短期的に使う選択肢」

として考える方が、
水草水槽では現実的です。


オトシンクルス

オトシンクルスは、

  • ガラス面

  • 水草の葉

  • 石や流木

に付着した薄いコケ膜をきれいに処理します。

ただし、環境が不安定な水槽では弱りやすく、
立ち上げ直後より安定した水槽向きの生体です。


石巻貝

石巻貝は、

  • ガラス面

  • 硬いハードスケープ

に付着するコケに効果的です。

一方で、

  • 水草の葉

  • 糸状コケ

にはほとんど効果がありません。


コケ取り剤という補助的な選択肢

APT FIX / APT FIX lite

生体と同様に、
**コケ取り剤も「補助輪」**として使うべき存在です。

APT FIX

👉 https://2hraquarist-japan.com/collections/apt/products/apt-fix

APT FIX は、

  • 糸状コケ

  • 黒ヒゲコケ

  • 頑固な付着コケ

に対して、比較的強い効果を持つコケ対策剤です。

コケを除去することで、
水草が再び優位に立つための時間を作る
という役割を果たします。


APT FIX lite(APT FIX II / LITE)

👉 https://store.shopping.yahoo.co.jp/the-2hr-aquarist/aptf-lite.html

APT FIX lite は、
モス・リシア・ボルビティス・バリスネリアなどの繊細な水草にも使えるよう設計された別ラインです。

  • FIXでは使いにくい水草が多い水槽

  • 局所的・慎重なコケ対策

に適しています。

「弱い版」というより、
使える対象が異なるコケ対策剤と理解するのが正確です。


生体とコケ取り剤の共通点

コケ取り生体も、APT FIX シリーズも、

  • コケの原因を消すものではない

  • 環境改善のための時間を作る存在

という点では同じ役割です。

コケが出たときに本当に見直すべきなのは、

  • 枯れ葉や汚れを除去できているか

  • 水草がしっかり成長しているか

  • 光・CO₂・栄養の配置が合っているか

という、水槽全体の設計です。


まとめ|最強のコケ対策は存在しない

  • コケ取り生体は万能ではない

  • コケ取り剤は短期的な補助

  • 環境改善が最優先

「何を入れるか」ではなく、
**「水槽がなぜその状態になっているか」**を考える。

それが、
THE 2HR AQUARIST が一貫して伝えている
最も再現性の高いコケ対策です。


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