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立ち上げたばかりの水草水槽を安定させる方法

今回は立ち上げたばかりの水草水槽を安定させる方法を紹介します。これから水槽を新規で立ち上げる方は是非参考にしてください。


以下の情報は、THE 2HR AQUARISTのデニスの研究に基づいています。

THE 2HR AQUARIST Dennis Wong
  • 新しい水草水槽が不安定になるのはなぜでしょうか?

新しい水槽は、まだ生物学的に成熟していないため、生物にとって不安定な環境になります。特に、新しいソイルは、アンモニアや有機廃棄物を放出します。アンモニアや、有機廃棄物を食べるバクテリアは、水槽内の生き物や水草にストレスを与えます。その結果、特に新しい水槽の水草が溶けてしまうことがよくあります。

水槽内の環境が安定したかどうかは、目に見えにくいものですが、テストをすることで成熟具合を確認することができます。水槽内の環境が成熟してくると、アンモニアは硝化作用で硝酸に酸化し、バクテリアが水中の小さなゴミを消化し、透明な水ができるようになります。また、有益なバクテリアがコケ類や病原菌を減らす働きをしてくれます。 

水草に悪影響を与えずに水槽内の環境を安定させる方法の一つに「サイクリング」という方法があります。これは、フィルターだけで2週間ほど回す方法です。しかし、多くのアクアリストはこの方法を試す時間や忍耐がないことが多いです。

この記事では、サイクリングを行わずに、水草が溶けたり適応に苦しむ段階を飛ばして、すぐに成長し始められるようにするための早くて簡単な方法を紹介します。

珪藻 茶ごけ 水槽 水草

新しく水草を植えた水槽では、茶ごけやコケ類に覆われたり、水草が上手く成長しないといった問題がよく起こります。しかし、以下の手順を実行すれば、成長を促進しながら、こうしたデメリットを最小限に抑えたりすることができます。

  • 水槽立ち上げ時の数週間に確認すること

水草水槽 2HR Way
  • バクテリアを繁殖させ、環境を安定させる
  • 硝化作用
  • 余分なアンモニアと有機廃棄物を除去する
  • 水草が早く適応できるように液体肥料の投与と二酸化炭素を添加する

バクテリアの増殖に理想的な環境を作る

水槽を早く安定させるには、好気性バクテリアが活発に働ける環境を整えることが重要です。これらのバクテリアは、アンモニアの循環を助け、コケ類や病原菌を減らす役割を持っています。多くの場合、バクテリアは酸素が豊富な環境を好みます。特に、硝化菌は、有機炭素、リン酸塩、マグネシウムがあると増殖が早くなります。

また、水槽内のガス交換や酸素濃度を適切に保つことも非常に重要です。たとえ多くの水草が植えられていても、水草は日中の明るい時間帯にしか酸素を作りません。バクテリアは24時間ずっと活動しているため、常に酸素が十分に供給されていることが理想的です。

1. バクテリアを水槽に追加する
成熟したフィルターや、以前の水槽で使っていたソイルを新しい水槽に混ぜる(5:5)ことで、バクテリアを引き継ぎます。また、市販のバクテリアを追加することでもプロセスを早められますが、以前の水槽からバクテリアを移す方が効果は高いです。

2. 水面を清潔に保ち、酸素を十分に供給する
水面に油膜ができないようにしましょう。サーフェイススキマーやアウトフロースキマーを使うと、常に水面をきれいに保つことができます。スキマーは水面にたまった有機廃棄物を取り除き、酸素を含んだ水を水槽全体に循環させることができます。

3. 良好な水流で酸素を循環させる
ガス交換は水面でしか起こらないので、酸素を多く含む上層の水を水槽全体に循環させることが重要です。水槽内で上層部と下層部の水がしっかり入れ替わるような水流を作りましょう。

4. フィルターの流量を水槽の水量の6〜10倍に設定する
ほとんどの水槽では、水槽の水量の6倍以上のフィルターが理想的です。例えば、100リットルの水槽には、1時間あたり600リットルの流量があるフィルターが必要です。

5. 最初から密に植える
水草はアンモニアや重金属を吸収し、バクテリアの住処として水槽を安定させる役割を果たします。底床の表面積の50%以上を育てやすい水草で覆うようにしましょう。デリケートな水草は避け、栄養素、CO2、光を最初からしっかりと供給することが、水草が新しい環境に適応するために大切です。

水槽 水流 ガス交換
良好な流れにより、酸素を豊富に含む表面の水が水槽内の下層部に運ばれます。流れが強いと、ゴミや有機廃棄物の粒子がフィルターに運ばれ、そこで消化されます。
水槽 水草 サーフェイススキマー
サーフェイススキマーを使用すると、油膜の形成が防止され、酸素が豊富な表面水が直接フィルターに供給されます。水面に蓄積された不要なタンパク質は、直接フィルターに吸い込まれて消化されます。
LEDSTAR 水槽 ガラスパイプ
サーフェイススキマーは調整が難しいので、LEDSTERのアウトフロースキマーもおすすめです。
水槽 油膜
水面がきれいで、水槽の表面にわずかな波紋があれば、エアレーションを使用しなくても酸素濃度は良好になります。
フィルター ろ材
古くなったろ材は見た目は汚いですが、有益なバクテリアが含まれています。古いスポンジフィルターに含まれた汚れた水を、水槽やフィルターに混ぜるのも効果的
です。
  • 有機廃棄物の除去

ソイルを水に漬けると大量の有機廃棄物が放出されることがあります。アンモニアが多いソイルでは、高濃度のアンモニアが放出されることもあります。たとえば、栄養系ソイルは、水に浸して最初の数日で10ppm以上のアンモニアを放出することがあります。そのため、サイクリング法を使わない場合は、水槽を立ち上げて最初の2週間は、こまめな水換えが必要です。


また、底床の上に有機廃棄物が溜まると、コケ類が発生しやすくなります。土が「汚れる」という考え方は、初心者には少し不思議に感じるかもしれませんが、ソイルにたまる有機廃棄物は、もともとのソイルの成分とは大きく異なります。時間がたって底床の表面にたまる未分解の有機廃棄物とは、生物学的に安定性が違います。

ソイルにたまる有機廃棄物は、ある程度の栄養分を供給しますが、光量の強いライトを使っていると、コケ類の発生を引き起こす原因になります。この不安定な有機物の層を取り除き、純粋な肥料を使って栄養を供給する方が、水槽をきれいに保ち、コケ類の発生を減らすことができます。

ソイル 汚れ
スポイトで汚れを浮かしサイフォンの原理で汚れた水を吸い出します。これをできるだけ毎週の水換え時に行います。掃除方法に詳しくは、 こちらをご覧ください。
1. 最初の数週間は頻繁に水換えをする
ソイルを使用する水槽では、最初の2週間は2日に1回、60~80%の水換えを行い、その後は4~5日に1回のペースで交換するのがおすすめです。水槽が安定した後は、週に1回の水換えで十分です。

2. 水換え時に基質の表面を掃除する
コケ類の胞子や有機物は底床の表面にたまりやすいです。表面の堆積物を吸い取ることで、コケ類の繁殖を抑えることができます。水槽を清潔に保つことで、敏感な水草が溶けてしまうのを防ぎます。

3. 古い葉を切り取り、新しい成長を促す
新しく導入した水草は水槽の環境に適応する過程で、古い葉を犠牲にし、新芽を育てます。古い葉はコケを引き寄せやすくするので古い葉を取り除くことで、水草が新しい葉にエネルギーを集中させ、コケ類の発生を防げます。

4. 水換え時に藻類を手作業で取り除く
新しい水槽では茶ごけや緑藻、藍藻などがよく見られます。コケ取り剤は使わず、水換えの際に手作業でコケ類を取り除き、水草の成長を妨げないようにしましょう。
コケ 水草 トリミング
劣化した古い葉はコケを引き寄せます。新しい葉はコケに耐性があるので、古い葉はトリミングします。
水草 コケ トリミング
古い葉をトリミングすると、過密状態が緩和され、新しい葉の成長のためのスペースが確保されます。

水草を成長させるための栄養素を投与する

劣化した水草は有機廃棄物を増やし、コケ類を発生させやすくします。水草が新しい水槽に素早く適応するためには、良好な成長環境が必要です。健全で大きく成長する水草がたくさんあることが、新しい水槽を早く安定させる最も効果的な方法です。

1. CO2濃度を高く保つ(CO2を添加する場合)
CO2濃度が高いと、水草の成長と環境への適応が大幅に速くなります。新しく導入した水草は、水中に沈められると、水の中からCO2を吸収するように適応する必要があります。このCO2吸収の仕組みは多くのエネルギーを使うため、十分なCO2が供給されていれば、水草の適応が大幅にスピードアップします。

2. 液体肥料を使う
多くのアクアリストは、新しいソイルが栄養豊富なため、新しく立ち上げた水槽には肥料を与えないことが多いです。しかし、新しい水草は根がまだ十分に発達しておらず、ソイルから栄養を吸収する力が弱いです。そのため、水草は水中から栄養を吸収する必要があります。水中に十分な栄養素があると、水草はより早く順応できます。

新しいソイルは、水草に窒素(アンモニア)を供給しますが、それだけでは水草が成長するのに十分ではありません。マグネシウムやカリウムなど、他の必須栄養素はソイルからはあまり水中に放出されません。これらの栄養素はソイルに含まれているかもしれませんが、水草がそれを吸収するには根がしっかりと張っている必要があります。したがって、水中に総合的な肥料を投与することが、新しい水草の成長を助けます。

水槽の環境が安定してきた兆候

水槽 コケ 水草
植えられた水草が新しい環境に慣れてくると、適応した葉を作ることにエネルギーを使い始めます。この新しい葉は、健康で形が整っているだけでなく、分子レベルで防御物質を生成し、コケ類の付着やバクテリアによるダメージを防ぎます。新しい大きくて美しい葉が成長し、コケ類も付着していない場合、水草が順調に適応している証拠です。古い葉は役割を終え、古い葉は次第に劣化します。

古い葉が枯れていくのは、新しく導入した水草に起こる自然な現象です。これらの葉は切り取って、新しい成長のためのスペースを作るとよいでしょう。有茎草の場合は、元気な上部を切り取って植え直し、損傷した下部は取り除いて捨てます。水草の順調な成長と水槽の安定化が進んでいる兆候は、こうした変化の中で確認できます。

 1. 新しい健康な葉が出てくる
水草が新しい水槽に適応すると、新しい葉が生まれます。順調に適応すると、新しい葉コケ類に強い耐性を持ちます。古い葉がコケに覆われた場合は、それを切り取って新しい葉の成長を助けましょう。時間が経つにつれ、水槽全体が新しい葉に覆われ、コケに対して非常に強い耐性を持つようになります。

2. 濁った水が透明になる
成熟した水槽には、微粒子を吸着して水をきれいにするバクテリアのバイオフィルムが発達します。これにより、水が透明になり、魚やエビたちにとって健康的な環境が整います。

3. 硝化作用が完了する
水槽内のアンモニア濃度がゼロになることで、サイクルが完了したことが確認できます。低いpHの水槽では、このサイクルが完了するのに数か月かかることもあります。

4. コケ類が減る
水槽が成熟するにつれ、コケ類の発生は少なくなります。特に新しく植えた水草に出やすい茶ごけや緑藻は、水草の成長とともに自然と消えていきます。また、小さな草食性の生き物もコケ類を食べ、水槽をきれいに保つのに役立ちます。

  • 水槽が安定しない場合はどうなりますか?

新しい水槽は、水草が新しい環境に順応し、コケのない新しい葉を出し始めると安定してきます。しかし、設備の不足、水道水の質が悪い、初期に植えた水草が弱い、底床の選択ミスなど、成長を妨げる要因は多く存在します。もし上記の手順で水槽が安定しない場合は、次の対策を試すことができます。

1. どれくらい待つべきか?

水槽が安定するまでには時間がかかることがあります。水草にストレスがかかると、成長が数週間遅れることもあります。水道水の質や機器の制限で環境が最適でない場合、水草が適応するまで時間が必要です。特にCO2を添加しない水槽では、安定するまでに数か月かかることもありますが、通常は6か月以内に安定します。CO2を添加する水槽で3か月以上安定しない場合、何か根本的な問題がある可能性が高いです。

2. 水草の種類を変更する

水草の種類によって成長の要求が異なります。育てにくい種類を、より簡単な種類に変更することは、水槽を安定させるための一つの方法です。また、育てにくい水草を水槽内でより良い位置に移動させることも、改善の助けになります。

3. 短期的に光量を弱める

安定しない水槽では、コケ類の発生が最大の問題です。ライトを弱めることでコケの増殖を抑えることができ、安定したら再びライトを強くすることが可能です。光の強さを正確に測定するのは難しいため、この点を無視しがちですが重要です。

十分なCO2があれば、ほとんどの水草は底床で40~50μmolのPARがあれば成長します。赤い水草はPARが100μmol前後で色づき始め、最も光を必要とする水草でも100~150μmolで成長し始めます。まずは低い光量で水槽を安定させ、その後必要に応じて光量を増やすのが良いでしょう。

ライト 光量 測定
光量が低いと、コケの管理がはるかに簡単になります。ただし、PARメーターは高価なので、ほとんどのアクアリストは水槽のPAR レベルを推測する必要があります。この岩組は、底床で40 umol以上のPARです。この低光量により、石をコケのない状態に保つことも簡単になります。
水槽 岩組
  • まとめ

水草水槽 立ち上げ
上記の手順に従うことで、約6~8週間で水槽を十分に成熟させることができます。上と下の写真は、植栽から45日間経っており、ハイグロフィラ・チャイやホシクサのような繊細な種は、最初の2週間が経過した後に追加されました。

水道水の質や新しく導入した水草の状態など、コントロールしにくい要因もありますが、これらは水槽管理の過程でよくある問題です。しかし、適切なメンテナンスを行い、水槽を常に清潔に保つことで、他の条件が最適でない場合でも成功率を高めることができます。
水草水槽 ダッチ

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