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水槽の酸素とCO2濃度を安定させる方法 ガス交換 ep.7

今回は水草水槽の管理方法「2HR Way」において、水槽内の酸素とCO2濃度を安定させるための方法について説明します。水草水槽では、ライトが点灯している間にCO2濃度を安定させ、酸素濃度は24時間常に高い状態に維持する必要があります。この記事では、なぜこれらの要素が重要なのかについて詳しく説明します。

この情報は「THE 2HR AQUARIST」のデニスの研究結果に基づいています。

THE 2HR AQUARIST Dennis Wong

  • なぜ水槽内の酸素濃度を高く保つ必要がある?

水草は通常、ライトが点灯している間にCO2を吸収し、酸素を生成します。そのため、水草が元気であれば、ライトの点灯中は酸素濃度が低下することは考えにくいでしょう。

ライトが消灯すると、水草は光合成を停止しますが、酸素を消費します。水中の生体やバクテリアは24時間酸素を必要とします。

水槽内では、魚だけでなく、バクテリアや水草などの全ての生物が酸素を消費します。そのため、水槽内の酸素濃度を24時間安定させることは、水草、魚、そしてバクテリアなど、全ての生物にとって有益です。

水中の酸素濃度が低いと、好気性バクテリアの活動が制限される可能性があります。好気性バクテリアは活動を行う際に酸素を消費し、有機物の分解や硝化作用などの重要な生態系プロセスに関与しています。

したがって、水草水槽では、水草が健康でない場合や、効果的なろ過が行われていない場合、コケの発生リスクが高まる可能性があります。酸素濃度を適切に維持することは、バクテリアの活動と水草の健康をサポートするための重要な要素です。

水槽 コケ 原因

酸素濃度の低下を防ぐために、サーフェイススキマーやリリィパイプなどを使用して、ガス交換を効率的に行いましょう。良好なガス交換は、酸素濃度を適切に保つのに役立つため、おすすめの方法です。

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  • 水槽内で起きるガス交換とは?

水草水槽 濃度 酸素 エアレーション O2 おすすめ CO2 ガス交換

水面では水と大気の間で酸素やCO2のガス交換が行われています。大気中の酸素やCO2は水に溶け込み、水中のCO2濃度が高い場合は大気中に放出されるため、水槽の水面では水と大気のバランスを保とうとします。この現象を大気平衡と呼びます。

しかし、水面に油膜ができると、油膜が酸素の溶解やCO2の安定化を妨げ、水中の環境が悪化します。サーフェイススキマーを使用して水面を清潔に保つことは非常に重要です。

水槽 水面 油膜  原因

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リリィパイプを使用して、水面上で酸素濃度の高い水を水槽全体に循環させます。また、フィルターの流量も重要です。流量が低いと、水槽内に酸素やCO2が均等に供給されない可能性があります。一般的に、水槽の水量の6倍から10倍の流量のフィルターがおすすめです。この仕組みを活用することで、24時間酸素濃度を適切に維持でき、エアレーションポンプの使用が不要になります。

  • 水槽内の酸素濃度が安定しているか確認する方法

エアレーションポンプを使用せずに、本当に水中の溶存酸素量に問題がないか心配される方もいるかもしれません。また、フィルターの流量が適正でガス交換が適切に行われているか最初は分からないかもしれません。そのような場合、水中の溶存酸素量を測定することをおすすめします。

水槽 溶存酸素量 測定
酸素の飽和量は水温により異なるので、こちらの表を参考にして下さい。
水槽 溶存酸素量 測定
水槽 溶存酸素量 測定
こちらは私の水槽の測定結果です。水温は23℃で、測定はライトが点灯する約1時間前に行いました。この測定結果から、エアレーションを使用しなくても水中の酸素が飽和状態にあることが明らかで、ガス交換が良好であることが示されています。
  • 水槽内のCO2濃度について

一見すると、ガス交換とCO2濃度は何の関係もないように思えますが、実際にはCO2濃度を安定させるためには非常に重要な要素です。前述したように、良好なガス交換を行うことで、水中に溶け込んだCO2が大気中に放出されます。これは一見矛盾しているように思えますが、CO2濃度を安定させるためには非常に重要な役割を果たします。

  • ガス交換とCO2濃度の関係について

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例えば、ガス交換が不十分な水槽の場合、CO2の添加速度を急に上げると、次のようなことが起こります。

① CO2の添加速度が速すぎるため、CO2濃度が急激に上昇し、すぐに危険な高濃度に達します。

逆に、CO2の添加速度を遅くすると、次のようなことが起こります。

② ライトが点灯している間にもかかわらず、CO2濃度を安定させることが難しく、水草に適切した環境を維持できません。

次にガス交換が良好な場合。

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CO2の添加速度が遅い場合、状況はBのようになります。危険なレベルには到達しませんが、理想のCO2濃度に達するまでには時間がかかります。一方、CO2の添加速度が理想的な場合、状況はAのようになります。ガス交換が良好な水槽では、ライトが点灯する2〜3時間前からCO2の添加を始めることで、ライト点灯中にCO2濃度を安定させることができます。これには適切な流量が必要で、流れが弱いとCO2濃度の安定や水槽全体へのCO2の均一な供給が難しくなります。水草はCO2がミスト(ガス)状態でも吸収できるため、ガス交換を良好にし、流量を安定させることは水草の健康な成長に非常に重要です。

CO2濃度の不安定は水草にとってストレスとなり、健康に影響を及ぼす可能性があります。詳細については、以下の記事をご覧ください。

水草 水槽 CO2添加 必要 理由

 またCO2濃度が不安定だと黒ひげコケの発生原因にもなります。

黒ひげコケ おすすめ 対策 方法

  • まとめ

上記の結果から、ガス交換が水草水槽にとって非常に重要であることが明らかです。成功の秘訣は、外部フィルターを定期的に清掃し、良好で安定した水流を保つことです。低濃度や不安定なCO2は、水草の不調や黒ひげコケの原因になり得ます。

次はep.8 : CO2濃度の調整方法について解説します。

CO2濃度の調整方法について

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