水草水槽の水流の重要性 ep.13
今回は水草水槽における水流の重要性について詳しく説明します。水草水槽を管理する上で水流を十分に意識していますか?水流は水槽内の環境に大きな影響を与え、酸素濃度を高く保ち、CO2濃度を安定させるために非常に重要な要素です。
この情報はTHE 2HR AQUARISTのデニスの研究結果に基づいています。
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なぜ水流が重要?
水草水槽において、良好なガス交換を実現するためには、水流が非常に重要です。水流が弱いと、酸素濃度の低下やCO2濃度の不安定性などが生じます。
フィルターの1時間あたりの流量は、水槽の水量の6倍から10倍程度に設定することをおすすめします。
水流を良くすることには他にも重要な理由があります。水流の増加により、CO2と栄養素が水槽内で均等に行き渡ります。一般的には水草はCO2が水に溶けていないと吸収できないと思われていますが、実際にはそれは誤りです。水草はCO2がガス状態(ミスト)でも吸収することができます。従って、水槽全体にCO2のミストを行き渡らせることは水草の成長に役立ちます。
水流の確保は、フィルターが水槽内の有機廃棄物を吸い込むのにも役立ちます。水槽内の有機廃棄物を減らすことで、コケの発生リスクを低減できます。そのため、多くの場合、強い水流があるほうが一般的には好ましいとされます。
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水流を強くする際の注意点
ただし、強い水流は流れに弱い水草にストレスを与える可能性があります。多くの水草は、急流ではなく穏やかな流れのある場所や静かな池で自生しています。強い水流にさらされると、一部の水草はコケの影響を受けやすくなります。特に、黒ひげコケが生えやすくなります。
黒ひげコケは、環境が安定しており、水草が健康に成長している水槽でも生えることがあります。このコケは強い水流を好みます。そのため、フィルターの排水口付近にある流木、石、または水草は、黒ひげコケの影響を受けやすくなります。
黒ひげコケは、他のコケと同様に、水草の健康状態が悪い場合や水槽内の環境が不安定な場合(たとえば、CO2濃度の不安定、フィルターの目詰まり、有機廃棄物の蓄積など)に発生する可能性があります。
強い水流にさらされる成長の遅い水草、この写真のようにミクロソリウムのような種類は黒ひげコケに対して脆弱なことがよくあります。
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黒ひげコケの発生を抑えるためにできること
- 水の流れがより均等に広がるようにリリィパイプを使用してください。
- アヌビアス、ブセファランドラ、アルテラナンテラ・レインキー、ウィローモスなど成長の遅い水草を強い流れから遠ざけます。
- フィルターの排水口の前には障害物がないようにレイアウトを作成します。
- 黒ひげコケの生えた古い葉はトリミングをします。健康な葉はAPT FIXで対処します。
- 長期維持している水槽の場合、窒素不足に気をつけてください。APT COMPLETEは水草の健康を長期で維持するのに役に立ちます。
CO2のインライン化と強い水流は水草の健康に最適な組み合わせです。ただし、成長の遅い水草や、流木や石がフィルターの排水口に近い場合、黒ひげコケが生えやすくなります。
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まとめ
水槽内の環境を安定させるためには水流の強さはとても重要です。水流が安定するようにフィルターやパイプ、ホースの掃除も怠らず行いましょう。
次は水草が繁茂したあとの注意点 ep.14について解説します。