コケ類の大量発生について
水槽を長期間維持していると、突然コケ類が大量発生することがあります。この記事では、その原因と対策について解説をします。
今回の情報はTHE 2HR AQUARISTのデニスの研究結果に基づいています。
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コケ類が大量発生する原因は?
上の写真では、アルテルナンテラ・レインキーミニがCO2の予期せぬ低下により黒ひげコケが発生し、その結果、葉が解け始めています。
下の写真は、サモラス・パルビフロルス・レッドが糸状コケに見舞われています。これは、環境の変化が適応ストレスを引き起こし、水草が弱ってコケ類に対して脆弱になるときに発生します。
これらの原因には魚の大量追加などいくつかの要因が考えられますが、主な原因は以下の3つです。
有機廃棄物のゆっくりとした蓄積
成熟した水槽では、古く傷んだ葉や、水草の過密により劣化した葉の残骸が蓄積することがしばしば見過ごされがちです。これらの古い葉や残骸が蓄積すると、アンモニアの急増やコケ類の発生が引き起こされることがあります。
水草が繁茂してピークに達した際の重要なポイントは、この記事で詳しく説明されています。水草が繁茂すると、トリミングと植え替えというサイクルが必要です。水生植物の水草は多年生植物ではないため、定期的に健康な上部を植え替えることが必要です。
流量が徐々に減少する
水草は水槽内で水の流れに依存しており、水の流れは酸素、二酸化炭素、栄養素を葉に運ぶ役割を果たしています。フィルターは時間の経過とともに自然に目詰まりし、その結果、流量が減少することがあります。この流量の減少は目に見えませんが、水草にとっては悪影響を及ぼします。
CO2ディフューザーの目詰まり
これはCO2を添加している水槽では最も影響力があり、かつ最も悪質な問題です。CO2ディフューザーの目詰まりは、効率が50%低下する可能性があります。CO2ミスト濃度の変化は目では気づきにくいものです。
炭素は植物質量の40~50%を占めるため、これを人間に例えると、1日3食のバランスの取れた食事から急にパンと水だけの食生活に変わることに似ています。断続的な絶食が人間にとっては健康的かもしれませんが、水草は環境に適応するために細胞を再プログラムする必要があるため、CO2濃度の急激な変化は必然的にコケ類の蔓延につながります。
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改善策は?
コケ類が蔓延した水槽は修復が難しいように見えますが、水草が健康であれば回復の可能性があります。
- 水質パラメーターを安定させ、有茎草をしっかりと成長させます。新芽の成長を観察してください。もしコケ類が見られなければ、水槽は回復の途中にあります。健康な新芽が15cm以上に成長したら、植え替えを行います。古い葉は一般的には回復しないことを覚えておいてください。
- アヌビアス、ブセファランドラ、アルテルナンテラ・レインキーなどの成長の遅い水草は、通常、成長の早い水草よりも回復力があります。これらの水草には、APT FIXまたはAPT FIX IIを試してみると良いでしょう。
- 頻繁な水換えは、有機廃棄物を効果的に取り除く手段です。ただし、この方法は水槽の水質パラメーターと水道水の間に大きな違いがない場合に限ります。
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水槽がコケから回復するまでの時間は?
CO2をしっかり添加した水槽は、まるで速い車のようです。通常、数日から数週間以内に回復することがあります。
一方、CO2添加なしの水槽では、水草の代謝は遅くなります。コケの大量発生はそれほど頻繁ではありませんが、回復するまでに数ヶ月かかることがあります。
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まとめ
葉の古くなった有茎草は定期的に植え替えをしてください。詳しくはこちら。
フィルターの定期的な清掃も重要です。手間がかかる作業かもしれませんが、流量の低下は悪影響を及ぼします。詳しくはこちら
CO2には特に注意が必要です。ディフューザーが詰まると、CO2濃度が50%低下する可能性があります。CO2濃度の測定にはpH降下法を使用してください。