陰性水草の育て方と活着方法
陰性水草は、CO2の添加なしでも簡単に育てることができる水草として紹介されることがあります。ただし、コケを生やさず美しく育てるには、環境を安定させることが重要ですので、ある程度の経験が必要です。
今回の情報はTHE 2HR AQUARISTのデニスの研究結果に基づいています。
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陰性水草とは?
陰性水草は、光量の少ない環境でも育つ水草を指します。代表的な種類にはブセファランドラ、アヌビアス、ミクロソリウム、ボルビティス、クリプトコリネ、ウィローモスなどがあります。これらの水草は流木や石に活着させて育てることができます。
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陰性水草に光量、CO2、肥料は必要ない?
陰性水草は光量が強すぎると葉焼けなどのダメージを受けやすいと、多くのアクアリストが考えています。これらの水草は通常、日陰(光量の弱い場所)から光量の強い場所に移すとストレスを感じ、特に水草の状態が悪い場合は葉にダメージを受ける可能性があります。ただし、水槽の環境が良好であれば、陰性水草のほとんどは高光量にも順応することができます。
低光量の条件では、多くの陰性水草が簡単に育ち、コケの発生リスクも低減します。低光量下では栄養素やCO2の要求量も通常は少なくなります。
ブセファランドラやクリプトコリネのいくつかの種類は、高い光量とCO2の添加があると、より美しく成長することがあります。GHの低い水槽では、APT SKYを使用し、GHを5〜7に上げるとより健康の育ち、成長速度も早まります。
左は高光量で、右は中程度のライトを使用したブセファランドラ・ブラウニーゴースト。両方ともCO2を添加しています。
クリプトコリネ・フラミフラミンゴは、十分な光量とCO2の追加があれば、美しいピンク色に発色します。GHを中程度に保つことも重要です。
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陰性水草の育成は簡単?
通常、陰性水草の育成は簡単だとされていますが、コケの発生を防ぎ、美しく管理するには一定の難しさがあります。陰性水草は代謝が遅く、悪環境に対するサインがわかりにくいため、注意が必要です。硬い葉を持つ品種もあり、内部で問題が進行しているのに気づかず、急に枯れることもあります。陰性水草を水草水槽で美しく長期間維持するには、ある程度の経験が必要です。
水草が溶ける理由については、下記の記事を参照ください。
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育成のコツは?
水草水槽を成功させるためには、環境を一定に保つことが重要です。水槽内で有機廃棄物が蓄積しないように、日常的な掃除が欠かせません。水槽が汚れると、葉に黒ひげコケが発生しやすくなります。また、酸素濃度とCO2濃度を一定に維持することも重要です。
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活着方法
水草を石や流木に活着させる方法は、3つあります。まず、簡単な方法は、石や流木の割れ目に水草を挟むことです。次に、釣り糸または綿糸を使って、石や流木の表面に水草を巻きつける方法があります。そして、もう1つの方法は、瞬間接着剤を使用することです。ジェルタイプの接着剤を水草に少量垂らし、それを石や流木の表面に押し付け、約10秒間押さえた後に離します。瞬間接着剤を使用すると白い跡が残りますが、これは水草で覆われるまでの一時的なものです。
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まとめ
陰性水草は環境が悪いとキレイに育たないため、良い勉強になります。長期間にわたりコケなく美しく維持できれば、それは水槽の環境が安定していることを示します。
陰性水草であっても肥料は必要です。水草や生体の数にもよりますが、APT ZEROまたはAPT COMPLETEを規定量投与をすることをおすすめいたします。
陰性水草は、よく肥料はいらないとされていますが、ソイルを使わず、化粧砂と陰性水草を活着させた流木や石のみでレイアウトする場合、APT COMPLETE等で多少は肥料を添加する方がよいのでしょうか?