水草水槽をCO2なしで管理する方法

2025年5月29日

この記事では、水草水槽をCO2を添加せずに管理する方法についてお伝えします。通常、水草水槽ではCO2を添加することで管理がしやすくなりますが、何らかの理由でCO2を使えない場合もあります。そんな場合に注意すべきポイントは何でしょうか?

この記事の内容は2HR Wayに基づいています。

  • 水草水槽にCO2添加は必須?

通常、水草水槽ではCO2の添加が必要ですが、CO2の添加なしでも、水草の選定と環境の安定化に焦点を当てることで、水槽を管理することができます。

CO2の添加が必要な理由について詳しくは、下記の記事を参照ください。

水草水槽 CO2添加 必要 理由

  • CO2添加なしで水草水槽を管理する5つの条件

1. 良好なガス交換

CO2を添加しない水槽では、ガス交換が非常に重要です。通常、大気中のCO2濃度は約400ppmですが、水中ではCO2を添加していない場合にはわずか2〜3ppmとなります。自然界で水草が繁茂している場所では、このような低い水中CO2濃度はほとんど見られません。そのため、水草を育てる際にCO2を添加することは理にかなっています。

「私は数十の川や湖のCO2天然濃度を測定しました。それらは湧水です。すべての湧水は8〜30 ppmとCO2が豊富です。」-トムバー

ただし、ガス交換を適切に行うことで、大気平衡の効果により、大気からそれなりのCO2供給が可能となります。

水槽 酸素 CO2濃度 ガス交換ガス交換には水流も重要です。フィルターの適正流量は水量×6~10倍です。詳しくは下記の記事を参照ください。

メンテナンス性の優れた外部フィルター適切なガス交換を確保することで、水中のCO2濃度を安定的に2〜3ppmに保つことが可能です。これにより、水草に炭素を一定量供給できます。また、浅い水槽を使用することも効果的です。これにより、ガス交換が簡単になります。

2. CO2添加なしで育成できる水草

植物の構成物質の約45%は炭素です。そのため、ほとんどの水草を美しく育てるためにはCO2の添加が必要です。ただし、代謝の遅い「陰性水草」はCO2を添加せずとも、簡単に育てることができます。陰性水草には、アヌビアス、ミクロソリウム、クリプトコリネ、ウィローモス、ブセファランドラなどが含まれます。

その他にも、パールグラス、ロタラ・ロトンディフォリア、バリスネリア、ウィステリア、ピグミーチェーンサジタリア、ルドウィジア・レペンス、ウォータークローバー、タイガーロータスレッド、ウォータースプライト、アルテラナンテラ・レインキーなども、CO2の添加なしで育てることができます。

CO2なし おすすめ 水草

ただし、CO2を添加しない水槽では、有茎草は大気中のCO2にアクセスしようとして、間延びする傾向があります。

有茎草 茎 間伸び 理由

CO2添加なしでも水草の絨毯を作れる種類

  • 簡単な種類

コブラグラス、ナンゴクデンジソウ、クリプトコリネ・パルバ、パールグラス

  • 中程度の難易度

ニューラージパールグラス、ショートヘアーグラス

  • 難しい種類

キューバパールグラス(CO2を添加した方が良い)、グロッソティグマ(高光量が必要)、ウォーターローン(安定した環境が必要)

CO2添加なしで育成したコブラグラス

立ち上げ後、3ヶ月でようやく絨毯になったショートヘアーグラス

3.底床にソイルを使用する

CO2を添加せずに水草水槽を構築する際、ソイルを使用すると、砂利を使った水槽よりも優れた結果が得られます。なぜなら、ソイルは水草に必要な栄養素を供給し、同時にバクテリアがソイル内でコロニーを形成でき、有機廃棄物の分解により水草の成長を助ける炭素を放出します。多くの水草がソイルに根を下ろし、これによりバクテリアコロニーの形成が促進され、水槽内の環境の安定に良い影響を与えます。

4. 立ち上げ時に水草を密に植える

水槽に水草を密に植えることで、コケの発生リスクを低減できます。水草は水槽の生態系を安定させ、アンモニアを含む窒素源も吸収します。最初には、水槽の底面に対して最低でも50%の植栽が必要です。70%以上植栽すると、ほとんどの水槽が安定します。豊富な水草は、コケ類に対する最も有効な防御策です。

5.液体栄養剤を定期的に投与する

生体の排泄物だけでは水草に必要な栄養素を最適化するのが難しいため、液体栄養剤を投与する必要があります。魚が少ない場合はAPT COMPLETE、魚が多い場合はAPT ZEROの使用をおすすめします。

  • CO2添加なしの場合、光量は弱い方が良い?

強い光量の条件下では、CO2を添加しなくても水草の成長が促進されることがあります。下記の表は、toropikaがリシアを使って実験した結果です。

CO2なし 水草 水槽 絨毯

横が光量の強さ(右に行くほど光量が強い)、縦がCO2の添加量(下に行くほどCO2の添加量が多い)を表しています。

この実験では、光量が強くなるほど水草の成長が促進され、CO2を添加しなくても良好に育つことが示されています。ただし、水槽を立ち上げたばかりの初期段階では環境が不安定であり、強い光量ではコケが生えやすくなります。したがって、水槽の環境が安定した後に光量を強化することで、コケの発生リスクを抑えることができます。水槽立ち上げ初期には、Par値を60umols以下に抑えることがおすすめです。

コケの生える原因について

  • まとめ

CO2を添加しない水草水槽は管理が難しくなります。コケを防ぐためのコツは、環境を安定させ、できるだけ水草を多く、生体の数を少なくすることです。

水草は環境の変化に敏感で、特に陰性水草は代謝が遅く変化に対する反応も鈍いため、問題が発生しても気づきにくいです。生体の数が多いとアンモニアを十分に吸収できない可能性もあります。これはコケの発生リスクを高める可能性があるので注意が必要です。


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