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水草は根と葉、どこから肥料を吸収する?

今回は水草への肥料の与え方について説明します。水草が根と葉のどちらから栄養を吸収するか、気になったことはありませんか?水草水槽を管理されている方にとって、以下の情報は役立つかもしれません。

今回の情報はTHE 2HR AQUARISTのデニスの研究結果に基づいています。

THE 2HR AQUARIST Dennis Wong

APT 購入

  • 水草は根と葉、どこから肥料を吸収する?

水草は根からも葉からも栄養素を吸収できる能力があります。したがって、両方の場所に栄養素が存在することは、水草にとってメリットとなります。液体肥料を水中に投与すると、水草は葉から栄養素を吸収します。一方で、ソイルや固形肥料を使用することで、水草は根からも栄養素を吸収します。

  • 液体肥料を投与することで得られるメリット

  • 1. 栄養素の濃度をコントロールすることができる。

水槽をソイルで立ち上げた場合、ソイルから窒素分としてアンモニアが流出します。通常、水槽を立ち上げた直後は水中の窒素濃度が十分であることが多いです。しかし、カリウムや微量元素などの他の栄養素は安定していない傾向があり、水換えによって簡単に失われることがあります。そのため、これらの栄養素が不足することがあります。このような状況では、窒素とリン以外の栄養素を含む APT ZEROなどの液体肥料を投与することで、水草に必要な栄養素を補給できます。

生体が多い水槽でも同様です。生体が多い場合、水中の窒素とリンの濃度は充分になることがあります。そのような場合はAPT ZEROを投与することで、水中の栄養素のバランスを調整することができます。

例えば、ロタラ・ハラやピンナティフィダなどの水草が赤くならない、またガラス面にコケが頻繁に生える場合、これは水中の窒素が過剰である可能性があります。このような症状が現れた場合、APT ZEROなどを使用して水中の栄養素のバランスを調整することで、水草の健康を向上させることができます。

ソイル 水草 栄養 液体肥料 固形肥料 吸収 コケ

窒素が不足している場合も同じです。水槽を立ち上げた後、ソイルの種類に依存しますが、数週間から数ヶ月で窒素が不足することがあります。窒素不足になると水草の成長が遅くなり、葉にコケが発生する可能性があります。そのような場合、 APT COMPLETEなど微量の窒素を含む液体肥料を投与するか、 APT JAZZなどの固形肥料を使用して底床の栄養素を補給する必要があります。

  • 2. 水中の栄養素を水換えで簡単にリセットできる。

液体肥料を入れすぎた場合などは、水換えを行うことで容易に水中の栄養素のバランスをリセットすることができます。

  • 3. 根を這っていない水草にも栄養素を供給することができる。

植栽直後の水草は通常、まだソイルに根を張っていません。そのため、水草はしばらくの間、根からの栄養吸収がほとんどできません。水草がソイルにしっかり根を張るには通常数週間かかります。その期間中は、水草は葉から栄養素を吸収することに頼ることになります。そのため、水中に適切な栄養素がバランスよく存在することは、水草の健康な成長を促進するのに役立ちます。

活着系の陰性水草にも栄養素を提供するために、液体肥料は非常に役立ちます。活着系の水草は成長が遅いので、栄養素をあまり必要としないと思われることがありますが、実際には違います。液体肥料を投与することで、これらの水草はより美しく健康に成長し、水草水槽の美しさを引き立てます。

これらの理由から、水草水槽では液体肥料を使用するのがおすすめです。

  • 液体肥料を投与することで起こるデメリット

  • 1. 定期的に投与する必要がある

液体肥料を使用する際、定期的に投与する必要があります。液体肥料の投与を怠ると、水草は環境の変化に適応できずに苦しむ可能性があります。そのため、理想的には毎日または2日に1回の頻度で液体肥料を投与することがお勧めです。

毎日の投与が難しい場合、ドージングポンプが役立ちます。ドージングポンプを使用することで、液体肥料の自動投与を設定できます。アプリを使って投与量や頻度を調整できるので、便利です。

ドージングポンプ

  • 2. 決まった水草にのみ栄養素を供給することができない

液体肥料を使用すると、全ての水草に同じ量の栄養素が供給され、成長の早い水草が優勢になることがあります。この結果、成長の遅い水草は競争に負けてしまうことがあります。このような場合、液体肥料を使いつつ窒素供給を調整する方法があります。成長の遅い水草に焦点を当て、根元にAPT JAZZなどの固形肥料を埋め込むことで、窒素供給を制御できます。

水草の成長速度やサイズは、窒素供給量によって調整可能です。この方法を使えば、成長の遅い水草に必要な栄養素を効果的に提供できます。

  • ソイルや固形肥料を使い水草の根元から栄養素を与えるメリット

  • 1. 水草の育成が容易になる

水草はアンモニア態窒素を硝酸態窒素(硝酸塩)よりも優先して吸収する傾向があります。栄養系ソイルや固形肥料には通常アンモニアが多く含まれており、さらにソイルはアンモニアを保持する能力があります。これらの事から水草の根元にアンモニアが豊富に存在すると、水草の成長が容易になることが理解できます。

ただし、水槽を立ち上げた初期段階では、ソイルからアンモニアが水中に流出することがあります。水槽を立ち上げる際にサイクリング(バクテリアコロニーを安定させるプロセス)を行うことで、コケの発生リスクを低減できます。

APTシリーズの液体肥料に含まれる窒素は硝酸態窒素だけであり、コケの直接的な発生原因とはなりませんので、安心して使用できます。

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  • 2. 根元から窒素を供給することで赤い水草をより赤く、コケの発生リスクも抑えることができる

ロタラ・ハラなどの水草は、水中の窒素を制限することで葉がより赤くなります。葉を赤くしたい場合は、窒素を水中から制限し、底床からの供給に重点を置くと効果的です。

硝酸塩 制限 赤く 水草

なぜコケの発生リスクを抑えることができる?

水中に十分な窒素が存在すると、コケの発生リスクが高まります。アンモニアと高光量はコケの主要な発生要因ですが、硝酸態窒素は直接的な原因ではありません。ただし、有機廃棄物が多い環境では、硝酸態窒素が豊富に存在するとコケが発生しやすくなります。そのため、水中の窒素を極力微量に制限することで、管理がより容易になります。

水中に豊富な硝酸態窒素があると、水草はより力強く早く成長しますが、管理が難しくなります。

ソイル Estimative Index (EI)

EIシステムは水中の栄養素を豊富にし、水草を力強く育成する方法です。

  • 3. KHの高い水槽で効果的

KHが高い環境では、水中に多くの窒素が存在すると、コケが生えやすくなります。そのため、KHが高い場合、例えば龍王石を使ったレイアウトなどで、窒素を底床から水草に供給する方が管理が簡単になります。

  • ソイルや固形肥料を使い水草の根元から栄養素を与えるデメリット

それは精度が低いことです。

液体肥料を使用する場合、水中の栄養素濃度を測定することで正確な情報を得ることができます。しかし、ソイルや固形肥料に依存する場合、ソイルがどれくらいの栄養素を保持し、どれくらい持続するか、また固形肥料がどの程度必要かなど、これらの情報はすべて推測するしかありません。

栄養系ソイルは、CO2を添加しない成長の遅い水槽では長期間にわたって使用できますが、CO2を添加した成長の早い水槽では数週間から数ヶ月で栄養素が枯渇することがあります。そのため、底床にある窒素分だけに頼って維持する場合、定期的にソイルの交換や固形肥料の追加が必要となることがあります。

  • 根の大きい水草は根からの栄養吸収が得意?

一般的な情報によれば、クリプトコリネやアマゾンソードなどの根の大きい水草は、根から栄養素を吸収しやすいため、底床に豊富な栄養素が必要だとされています。しかし、デニスの研究によれば、この情報は誤りであることが分かっています。

アマゾンソードやクリプトコリネなどは、自然界では流れの速い場所に自生しており、大きな根は水中でしっかりと根付くためにアンカーのような役割を果たしています。一方で、有茎草などの根が小さい水草でも、根元に固形肥料を供給すると成長スピードが向上します。これらの事から、水草の根の大きさと底床からの栄養素の吸収には直接的な相関性がないことが分かります。

  • まとめ

ほとんどの水草は、葉からも根からも栄養素を吸収する能力を持っています。そのため、ADAスタイルのように底床から栄養素を供給する方法や、トム・バーのEIシステムのように水中からのみの栄養素供給方法のどちらでも水草の育成が成功することが実証されています。

デニスの2HR Wayは、微量の窒素を液体肥料から供給することで、簡単に管理できるスタイルを追求しています。このスタイルは、ADAとEIの間を取ったアプローチを採用しており、誰にでも手軽に適用できる特徴を持っています。

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