おすすめのCO2添加方法 EP.6
この情報はデニスの研究結果に基づいています。
-
CO2を添加する理由
植物の組成において、約45%が炭素です。水草は、窒素と比較して質量で約20倍以上の炭素を必要とします。炭素は水草の成長にとって非常に重要な要素です。
水草は、二酸化炭素(CO2)から炭素を吸収します。陸上の植物は、大気中に豊富に存在するCO2(約400ppm)から簡単に炭素を吸収することができます。
しかし、水槽内ではCO2濃度が非常に微量(2〜3ppm程度)にしかならないため、水草の成長が遅くなり、水槽内の環境を安定させることが難しくなります。そのため、基本的にはCO2を添加することをおすすめします(理想的な濃度は約35ppm)。
下の図は、CO2の添加量による水草の成長速度を比較したものです。
この図を見ると、CO2を添加しない場合(青の線)とCO2を添加した場合(緑の線)では、水草の成長速度に5〜7倍もの違いがあることがわかります。CO2を添加することで、水草の成長を大幅に促進することができることが示されています。
左側の画像はCO2を追加しなかった場合のロタラ・ロタンディフォリアで、右側はCO2を添加したものです。CO2が不足すると、茎が間延びし、水草の健康に影響を及ぼすことがわかります。CO2の添加は水草の成長に重要な役割を果たします。
CO2添加の重要性について詳しくは、こちらをご覧ください。
-
CO2添加による魚やエビへの影響は?
CO2を添加すると、水中のpHが低くなることがあり、これが魚やエビにどのような影響を与えるか、多くの方が心配することでしょう。しかし、自然界では水中のpHが低い場合や変動する場面が一般的です。このテーマについて詳細な情報は、次の記事でご覧いただけます。
-
CO2添加方法について
CO2の添加方法には、大まかに2つの方法があります。一つはディフューザーを使い、水槽内に直接CO2を添加する方法です。もう一つは、外部フィルターのホースにCO2をインライン化する方法です。
CO2の添加方法は、個人の好みにより選べます。美しいCO2のミストを見たい場合にはディフューザー、管理を楽にしたい場合にはインライン方式がおすすめです。
ディフューザーを使用する場合、汚れが溜まるとCO2の溶解率に大きな影響を及ぼすため、まめにメンテナンスすることが重要になります。インライン方式の場合、排水口側に設置します。これにより、CO2のミストが水流に乗って水槽全体に広がります。
水草水槽では流量も重要です。水の流れが弱ければCO2の泡を水槽内全体に行き渡らせるのが難しくなります。CO2のミストが水草全体に適切に届いているかを目視で確認しましょう。ディフューザーを使用する場合、水槽内でCO2のミストが均等に分散されるような場所に設置することが大切です。流れる水にCO2がしっかりと混ざるように、写真のように設置場所を工夫しましょう。
-
おすすめのCO2添加機材
ディフューザーはミストの細かいものがおすすめです。
以下はCO2を外部フィルターにインラインで接続するための装置です。このCO2拡散器を外部フィルターの排水口に接続するだけで簡単に使えます。
-
おすすめのCO2濃度の測定方法について
初心者の方にとって、水草水槽の管理で最も悩ましいことの一つが、CO2の添加量だと考えられます。CO2濃度は目に見えないため、どれだけ添加するべきかが分かりにくいことがあります。しかし、簡単にCO2濃度を測定する方法があります。それが、PHモニターを用いたPH降下法です。PHモニターを使ってPH値を常時測定することで、水草水槽の管理が簡単になり、CO2の適切な添加量を調整するのに役立ちます。
PH降下法のやり方ですが、先ずはCO2を添加する直前のPHを計ります。前日添加したCO2が残存している可能性があるため、1度エアレーションなどでCO2を飛ばしてからPHを測定してください。
そしてCO2の添加を始め、そこからPHを1ポイント下げると理想のCO2濃度(約35ppm)になります。ライトが点灯している間は、PHが1下がった状態を維持するために、ライトの点灯の約2時間からCO2添加を始めてみてください。
サーフェススキマーとリリィパイプを使うとCO2濃度と酸素濃度を安定させることが容易になります。
CO2濃度の測定方法や添加方法について詳しくは、こちらで解説しています。
-
まとめ
CO2の添加は初心者にとって難しいと感じるかもしれませんが、CO2を添加することで、さまざまなトラブルに対処する手間を減らし、水草水槽の管理が楽になります。水草にとって最も必要な栄養素は炭素であり、その重要性は言うまでもありません。
次に、EP.7ではPHモニターについて詳しく説明します。
水槽の環境にもよると思いますが、私の水槽ではライト点灯前の2時間前からCO2添加を始めて、1ポイント下げています。水槽のガス交換(水の循環)が悪い、油膜があるとCO2過多になることがあるので気をつけてください。PHモニターを使ってPHを常に測定すると便利かと思います。初回のPH添加量の設定時には魚やエビの様子を観察することをおすすめします。
PH降下法にて、PH値を1ポイント下げる目安としてCo2を添加と有りますが、その1ポイント下げるのにどの位の時間が目安ですか、照明の点灯前からCo2添加とも有りますが、酸欠が心配です。