水槽立ち上げ時のコケの対策方法 ep.12
今回は水槽立ち上げ時に生えるコケの対策方法について解説します。水槽を立ち上げた直後から2ヶ月ほどは、水槽内の環境が不安定でコケが生えやすい時期です。この不安定な期間をうまく管理するための方法を解説します。
これらの情報は、THE 2HR AQUARISTのデニスの研究結果に基づいています。
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水槽立ち上げ時になぜコケが生える?
水草を植えた後、1〜2週後に急に茶ゴケや緑藻などが生えることがよくあります。サイクリングを行った後にも、この問題が発生することがあります。
この問題には高光量が影響している可能性が考えられます。高光量のライトを使用している場合、水草を植えた直後から100%の光量で照射すると、コケの発生リスクが高まります。したがって、水草を植えた直後は光量を落とすことをおすすめします(60umols以下)。環境が安定してくれば、光量を増やしても問題ありません。
光量の測定方法について詳しくは下記の記事をご参照ください。
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コケが水草に優先して生える原因は?
コケが水草に優先的に生える場合、それは水草が環境の変化に対応しようとしている兆候かもしれません。健康な水草は通常、コケに対して免疫力を持っています。ただし、水草が初めて植栽されたばかりで、まだ環境に適応しようとしている場合、コケが発生しやすいことがよくあります。水槽を立ち上げてから1〜2ヶ月間は、水槽内の環境が不安定であるため、このような現象が見られることがあります。
コケの生えた古い葉は回復することがないため、トリミングや植え替えで対処します。
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水槽立ち上げ時にコケが生えた場合の対策方法は?
水槽を立ち上げた際にコケが生える場合は、水換えを行うことが対策の一つです。特に多くの水草は、水中の環境に適応するために栄養分を新芽に移動させます。その後、水上葉や以前の水槽に適応した葉は自然と腐敗してしまいます。腐敗した葉を放置すると、コケや藍藻が生えやすくなるため、新芽が十分に成長したら植え替えを行うことが重要です。
腐敗した葉からは有機廃棄物が放出されます。特に水槽を立ち上げたばかりの段階では、バクテリアの数がまだ不足していることがあり、有機廃棄物が水中に蓄積しやすくなります。この場合、水換えの頻度を増やして有機廃棄物を取り除くことが重要です。
有機廃棄物を取り除く効果的な水換え方法は下記の記事を参照ください。
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水槽を立ち上げた際にコケが生えてしまった場合、避けるべき行動
水草水槽を安定させるためには、水質パラメーターの変更を避けることが重要です。ライトの強度、CO2の添加量、液肥の投与量、流量などを頻繁に変更すると、水草は新しい環境に適応する必要があり、そのたびに時間がかかります。最悪の場合、コケが蔓延し、水草の成長が停止し、溶けてしまうこともあります。状況がひどくなると、水槽をリセットしなければならないかもしれません。ですので、水槽の環境をできるだけ安定させ、急激な変更を避けることが成功の秘訣です。
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コケが生えた水草はどうする?
水中葉や水上葉で植栽した場合、時間が経過すると下部の葉がダメージを受けたり、コケに覆われたりすることがあります。新しい葉が十分に成長したら、それをカットし、残った下部の葉を取り除いて植え替えを行うことが重要です。組織培養された水草は、環境への適応力が高いため、状態の良い水草を選ぶことで、不安定な期間をスムーズに乗り越える可能性が高まります。
水草が溶ける理由については下記の記事が参考になります。
もう1つ大切なことは、水草をできるだけ多く植えることです。水槽の底面の70%以上を水草で覆うと、より環境が安定しやすくなります。
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コケ取り剤 APT FIXの使用はどうですか?
成長の早い水草の新芽が健康な場合、APT FIXは必要ありません。ただし、成長が遅い水草、例えばブセファランドラやアヌビアス、アルテルナンテラ・レインキーなどはAPT FIXが役立ちます。これらの水草は、古い葉が健康を取り戻す可能性があります。
ただし、ブセファランドラやトニナ、クリプトコリネ・フラミンゴなど、敏感な水草は環境が不安定なときにはコケに対して脆弱です。そのため、環境が安定してからこれらの水草を植えることをおすすめします。
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まとめ
水槽立ち上げ時にコケが生えると、エビを追加したり、液体肥料の量を調整したり、何か対策をしたくなると思います。しかし、水草が順調に成長している場合は、何もしないことが最善策です。水換えの頻度を増やし、コケと有機廃棄物をできるだけ取り除くようにしましょう。